労働・有給 📅 2026年3月28日 ⏱ 約8分で読めます

有給休暇の付与日数を完全解説
|パート・アルバイトも含む早見表【2026年版】

「パートでも有給ってもらえるの?」「週3日勤務だと何日もらえる?」——そんな疑問、この記事一本で全部解決します。法定の付与日数早見表から比例付与の計算方法、2019年改正の5日義務化まで、わかりやすくまとめました。

田中 さくら
ライター・社会保険労務士補助者|働き方・労務管理を専門に執筆

この記事について:本記事は労働基準法第39条および厚生労働省の公式ガイドラインをもとに作成しています。筆者は社会保険労務士事務所での補助業務経験を持ち、パート・アルバイトの有給管理に関する実務知識をもとに執筆しています。法改正等により内容が変わる場合があります。最新情報は所轄の労働基準監督署にご確認ください。

有給休暇は、働く人全員に与えられた大切な権利です。でも「パートだからもらえない」「週3日しか働いていないから関係ない」と思っている方、実はそれ、誤解なんです。労働基準法は雇用形態を問わず、一定の条件を満たすすべての労働者に有給休暇を保障しています。

この記事では、正社員からパート・アルバイト・シフト制まで、あらゆる働き方に対応した付与日数の早見表と計算方法を、できるだけわかりやすく解説します。


有給休暇とは?基本をおさらい

年次有給休暇(以下「有給休暇」)とは、賃金をもらいながら休める権利のことです。労働基準法第39条に定められており、企業の規模や業種、雇用形態に関わらず適用されます。

有給休暇の目的は、心身の疲労回復と、ゆとりある生活の実現にあります。制度の趣旨としては「まとめて取得してリフレッシュする」ことが想定されており、原則は1日単位での取得です。ただし、労使協定を結べば半日単位・時間単位での取得も認められています。

💡 ポイント
  • 正社員・パート・アルバイト・契約社員、すべて対象
  • 賃金が支払われる休暇(欠勤扱いにならない)
  • 原則1日単位、半日・時間単位は労使協定が必要
  • 使用者(会社)は正当な理由なく拒否できない

付与される2つの条件

有給休暇が付与されるには、次の2つの条件を同時に満たす必要があります。どちらか一方だけでは付与されません。

条件 内容 補足
① 継続勤務 雇い入れの日から6ヶ月以上継続して勤務していること 試用期間も含む。転籍・出向も継続とみなされる場合あり
② 出勤率 全労働日の8割以上出勤していること 産前産後休業・育児休業・業務上の傷病による休業は出勤扱い

この2条件を満たせば、雇用形態は問いません。週1日しか働いていないパートでも、6ヶ月継続して8割以上出勤していれば、有給休暇が付与されます。


【早見表】有給休暇の付与日数一覧

法律で定められた有給休暇の付与日数は以下の通りです。週の所定労働日数によって付与日数が変わります。この表を「有給休暇 付与日数 早見表」として保存しておくと便利です。

正社員・週5日勤務(または週30時間以上)の場合

継続勤務期間 付与日数 累計(繰り越しなし)
6ヶ月10日10日
1年6ヶ月11日21日
2年6ヶ月12日33日
3年6ヶ月14日47日
4年6ヶ月16日63日
5年6ヶ月18日81日
6年6ヶ月以上20日101日〜

最大付与日数は年間20日です。6年6ヶ月以上勤務すると毎年20日が付与され、それ以上は増えません。

パート・アルバイトの付与日数(比例付与)早見表

週の所定労働日数が4日以下、かつ週30時間未満の場合は、以下の「比例付与」が適用されます。

継続勤務期間 週4日
(年169〜216日)
週3日
(年121〜168日)
週2日
(年73〜120日)
週1日
(年48〜72日)
6ヶ月7日5日3日1日
1年6ヶ月8日6日4日2日
2年6ヶ月9日6日4日2日
3年6ヶ月10日8日5日2日
4年6ヶ月12日9日6日3日
5年6ヶ月13日10日6日3日
6年6ヶ月以上15日11日7日3日
⚠️ 重要な例外

パートタイムでも、週の労働時間が30時間以上の場合は、正社員と同じ付与日数(最大20日)が適用されます。週4日勤務でも1日8時間以上働いていれば週32時間となり、正社員と同じ扱いになります。


パート・アルバイトの「比例付与」とは

比例付与とは、週の所定労働日数が少ない労働者に対して、その日数に比例した有給休暇を付与する制度です。フルタイムと同じ日数を付与するのは不公平なため、労働基準法で定められています。

週所定労働日数の数え方

「週所定労働日数」とは、雇用契約書や就業規則で定められた1週間あたりの労働日数のことです。実際に働いた日数ではなく、契約上の日数で判断します。

週所定労働日数 1年間の所定労働日数 適用される付与区分
5日以上 または 週30時間以上217日以上正社員と同じ(最大20日)
4日169〜216日比例付与(週4日欄)
3日121〜168日比例付与(週3日欄)
2日73〜120日比例付与(週2日欄)
1日48〜72日比例付与(週1日欄)

たとえば、週3日・1日6時間勤務のパートさんの場合、週労働時間は18時間(30時間未満)なので、比例付与の「週3日」欄が適用されます。入社6ヶ月後に5日の有給休暇が付与されます。


シフト制で日数が変わる場合の計算方法

「毎週の出勤日数が決まっていない」「シフトによって週2日のときも週4日のときもある」——そんな方の有給休暇はどう計算するのでしょうか。

この場合は、前1年間の実績から週平均所定労働日数を算出し、それに対応する比例付与日数を適用します。

計算式

📐 週平均所定労働日数の計算式

週平均所定労働日数 = 前1年間の所定労働日数 ÷ 52.18(週)

※ 雇い入れ後6ヶ月で最初の付与を行う場合は、雇い入れ日から6ヶ月間の所定労働日数を2倍にして年換算します。

具体例で確認

ケース 前1年の所定労働日数 週平均 適用区分 6ヶ月後の付与日数
Aさん(シフト制・週2〜3日) 130日 約2.5日 → 3日 週3日欄 5日
Bさん(シフト制・週3〜4日) 175日 約3.4日 → 4日 週4日欄 7日
Cさん(シフト制・週1〜2日) 80日 約1.5日 → 2日 週2日欄 3日

週平均の端数は、0.5日以上を切り上げ、0.5日未満を切り捨てて整数に丸めます。計算が複雑に感じる場合は、当サイトの有給休暇計算ツールを使うと自動で算出できます。


2019年改正|年5日取得義務化のポイント

2019年4月、働き方改革関連法の施行により、有給休暇の年5日取得が使用者(会社)の義務となりました。これは日本の有給休暇制度における大きな転換点です。

対象者は誰?

この義務の対象となるのは、年間10日以上の有給休暇が付与された労働者です。正社員だけでなく、比例付与で10日以上もらえるパート・アルバイトも対象になります。

10日以上

付与された場合に義務発生

1年以内

基準日から1年以内に5日取得

30万円

違反した場合の罰則(1人あたり)

使用者の義務と時季指定

従業員が自ら5日の有給休暇を取得できていない場合、会社は従業員の意見を聴いたうえで取得時季を指定しなければなりません。ただし、従業員がすでに自分で5日以上取得している場合は、会社からの時季指定はできません。

📌 義務化のまとめ
  • 対象:年10日以上付与された全労働者(パート含む)
  • 義務:基準日から1年以内に5日以上取得させること
  • 方法:従業員の自主取得 + 計画的付与 + 時季指定の合計で5日
  • 罰則:違反1人につき最大30万円の罰金(労働基準法第120条)
  • 記録:年次有給休暇管理簿の作成・3年間保存が義務

詳しくは、厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」でも確認できます。


繰り越しと時効(2年ルール)

有給休暇には時効があります。労働基準法第115条により、有給休暇の請求権は2年で消滅します。

繰り越しの仕組み

タイミング 内容
当年付与分を使い切れなかった場合 翌年に繰り越し可能(最大1回)
繰り越した分を翌年も使い切れなかった場合 2年経過で時効消滅(使えなくなる)
繰り越し上限 最大40日(当年20日 + 繰り越し20日)

具体例

入社6ヶ月後に10日付与されたとします。1年後(1年6ヶ月時点)に11日が新たに付与されます。このとき、最初の10日のうち使い残した分は繰り越されます。さらに1年後(2年6ヶ月時点)に12日が付与されますが、このタイミングで最初の10日の時効が到来し、未使用分は消滅します。

💡 繰り越しのポイント

有給休暇は「古い分から先に消化される」のが原則です。残日数が多くても、付与日が古いものから順に使われていくため、気づかないうちに消滅していることがあります。自分の有給残日数と付与日を定期的に確認しましょう。当サイトの経過日数計算ツールで付与からの経過日数を確認するのも便利です。


よくある質問(FAQ)

はい、もらえます。6ヶ月継続勤務かつ全労働日の8割以上出勤していれば、雇用形態に関わらず有給休暇が付与されます。週の所定労働日数に応じた「比例付与」が適用されます。「パートだから有給はない」と言われた場合、それは誤りです。

法律上は入社から6ヶ月後が最初の付与タイミングです。ただし、会社によっては入社直後から有給を付与する「前倒し付与」を行っているケースもあります。就業規則を確認してみましょう。

はい、時効があります。有給休暇の請求権は付与日から2年で消滅します(労働基準法第115条)。当年分を使い切れなかった場合は翌年に繰り越せますが、2年経過すると使えなくなります。

シフト制など週の所定労働日数が一定でない場合は、前1年間の実績から週平均所定労働日数を算出し、それに対応する比例付与日数が適用されます。計算式は「前1年間の所定労働日数 ÷ 52.18」です。

法律上の原則は1日単位ですが、労使協定を締結することで半日単位・時間単位での取得も可能です。時間単位の場合は年5日分を上限として取得できます。会社の就業規則や労使協定を確認してください。

会社は原則として有給休暇の取得を拒否できません。ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、時季を変更するよう求める「時季変更権」が認められています。単純な「忙しいから」という理由での拒否は違法です。解決しない場合は、所轄の労働基準監督署に相談することをおすすめします。

はい、適用されます。パート・アルバイトでも、比例付与で年間10日以上の有給休暇が付与された場合は、年5日取得義務の対象となります。たとえば週4日勤務で3年6ヶ月以上勤務している場合(付与日数10日)は対象です。

有給休暇の日数を自動計算する

「自分は今何日もらえるの?」「入社日を入れたら自動で計算してほしい」——そんな方のために、当サイトでは有給休暇の付与日数を自動計算できるツールを無料で提供しています。

入社日と週の所定労働日数を入力するだけで、現在の付与日数・残日数・次回付与日を瞬時に確認できます。スマホでも使いやすい設計です。

また、有給休暇の付与日から何日経過したかを確認したい場合は、経過日数計算ツールも合わせてご活用ください。


有給休暇制度の背景:日本の取得率はなぜ低い?

日本の有給休暇取得率は、先進国の中でも長年低い水準にあります。厚生労働省の調査によると、2023年の取得率は約62.1%で、過去最高を更新しているものの、欧米諸国と比べるとまだ差があります。

この背景には、「周りに迷惑をかけたくない」「取りにくい雰囲気がある」といった職場文化的な要因が大きいとされています。2019年の義務化はこうした状況を改善するための法的措置でした。

国際的な視点から見ると、有給休暇制度は各国で大きく異なります。Wikipedia「Annual leave」では、各国の法定有給休暇日数が比較されており、日本の制度の特徴を理解する参考になります。

制度を知ることが、権利を使う第一歩です。自分の有給休暇の日数を把握して、上手に活用していきましょう。


まとめ

有給休暇の付与日数について、改めて整理しておきましょう。

📝 この記事のまとめ
  • 付与条件:6ヶ月継続勤務 + 全労働日の8割以上出勤
  • 正社員・週5日:6ヶ月後に10日、最大20日/年
  • パート・アルバイト:週の所定労働日数に応じた比例付与(週1日〜4日)
  • 週30時間以上:パートでも正社員と同じ日数が適用
  • シフト制:前1年の実績から週平均を算出して適用
  • 5日義務化:年10日以上付与された労働者は年5日取得が義務
  • 時効:付与日から2年で消滅(翌年への繰り越しは1回のみ)

有給休暇は「もらえるかどうかわからない」ものではなく、条件を満たせば法律で保障された権利です。自分の勤務状況と照らし合わせて、正確な付与日数を把握しておきましょう。

この記事を書いた人

田中 さくら
田中 さくら

社会保険労務士事務所での補助業務を経て、フリーライターとして独立。労務管理・働き方改革・有給休暇制度を中心に、わかりやすい解説記事を執筆。「難しい法律を、生活に役立つ言葉で」をモットーに活動中。趣味はカフェ巡りと読書。

参考資料・出典

  1. 労働基準法 第39条(年次有給休暇)
  2. 労働基準法 第115条(時効)
  3. 厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト
  4. Wikipedia「Annual leave」(各国有給休暇制度の比較)
  5. 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(有給休暇取得率62.1%)